++ホワイトデーのプリンセス++


3月14日 ホワイトデー

男子が好きな女子にプレゼントを贈る日である。
その日の昼食の時間………

「宇佐美さん、棗君と流架君からプレゼント貰えました?」
「………本田君(遠隔操作の少年)のしか貰えなかった」

棗・流架ファンクラブの会長 スミレと片割れの少女・和歌子が給食を食べながら
ホワイトデーのプレゼントの会話をしている。
大本命である棗と流架からプレゼントが貰えず、和歌子は凹んでいた。
その様子を遠くから眺めていた蜜柑は……

「棗と流架ぴょんからプレゼントが貰えなかったせいで、かなり凹んでいるようやな
 パーマと和歌子ちゃん……」

給食を食べながら喋っていた時だった。

「「「佐倉さ〜〜〜んVv」」」

【プリンセス・ミカン】の会員である中等部の男子3名がやって来た。
蜜柑にホワイトデーのプレゼントを渡し、この場を後にした。
隣に座っていたB組の女ボス・蛍が【プリンセス・ミカン】からのプレゼントを嫌そうに見つめる。

「……また、プレゼント?」
「うん……。放課後、職員室に行って鳴海先生に台車貸してもらうよう
 頼まなきゃあかんなぁ……」
「えっ!?台車が必要って……蜜柑ちゃん、ホワイトデーのプレゼント
 どれぐらい貰ったの……!?」

委員長が恐る恐る、蜜柑に聞く。

「え〜〜と……20箱分ぐらいかな……?」


ガッターーーーン!!!!!!


蜜柑の話を聞いた蛍以外のクラスメイトが一斉に倒れた。
勿論、蜜柑LOVEの棗、流架も例外ではない。

「に、20箱分!?そ……そんなに!!?」

それを聞いた委員長が泣きながら叫ぶ。

「今まで貰ったプレゼント、何処に保管してるのよ?」
「え、え〜〜と……、北の森にある小屋の中……」(ベアのではない)
「フ〜〜ン………」
「ウチ1人で、あれだけの量のプレゼント処理しきれんわ……。どうしよう……」

その話を聞いた蛍は、チラッと棗と流架に目線を送った。
目線を送られた棗と流架は既にやる気満々だった。
蜜柑が困っている顔を目の当たりにしたのだから……



放課後─────


「蜜柑ちゃん、蛍ちゃんは?」
「何か、大事な用があるらしいから先に帰れって言われたんや」
「じゃあ、蜜柑ちゃん……一緒に帰ろう……//////」
「ええよ!」

蜜柑は、委員長と一緒に寮に帰って行った。



一方、蛍はと言うと………


ボオォォォ……!!


「【プリンセス・ミカン】の奴らめ……、佐倉にプレゼントを大量に押しつけて……。
 後で、動物たちを使って襲わせないとなぁ……」
「流架……、お前はいつからそんな物騒なことを言うようになったんだ?」
「日向君、この箱に入っている物は全部お菓子だから燃やさないで頂戴ね?
 私が処理するんだから…」
「これは、質屋に売り飛ばせば金になりそうだな……」
「それは、今井が言うべき台詞だろ。棗…」(汗)

棗・流架と共にホワイトデーのプレゼントを焼却処分した。
小屋の中に残ったのは、棗・流架による蜜柑宛てのホワイトデーの
プレゼントの箱だけだった……。
皆川を始めとする【プリンセス・ミカン】たちは、棗のアリスによって
プレゼントを焼却処分されたことに気づかずにいた……。




終わり

後書き

2日遅れになってしまいましたが、ホワイトデー記念のフリー小説は如何でしたか?
蜜柑ちゃんの星階級はシングルですから、6畳ぐらいの部屋に
20箱分のプレゼントなんて、収納しきれませんよね……。
持ち帰りたいと言う奇特な人は、遠慮しないで持ち帰ってください。

2005.9.16