「痛いっ!あれ?なんでこんなもんが入ってんのやろ?」

朝、教室で机の中に教科書を仕舞おうとした蜜柑は机の中の昨日までは
無かった物に気が付いた。




++あなたにバラの花束を++




「真っ赤なバラの花じゃない。某アニメの気障な男を思い出すわね」
「でも、なんで蜜柑ちゃんの机の中に入ってたのかな?」
「きっと、蜜柑ちゃんの事が好きなんだよ。赤いバラの花の花言葉は《情熱とか愛情》だから。」

蜜柑の机の中から出てきた1本の真っ赤なバラの花にみんなは興味津々だ。

「ウチの事が好きな人がおったなんて…ウチ嬉しい!/////」

鈍感な蜜柑は自分が結構モテていることに気付いていない。

「星なしに花を贈るなんて奇特な奴もいるんだな」
「佐倉〜(泣)」
「このことが棗さんにバレたら……|||||」

『棗にバレたら絶対馬鹿にされる。』

「なぁ、棗にはこの事言わんといて?」
「「もちろんだよVv」」

良かった〜と蜜柑が安心していると

「棗さん、流架君、おはようございます。」

問題の人、棗が登校してきた。
蜜柑はバラの花をとっさに鞄の中に隠した。

「なに、ニヤニヤしてんだよ。」
「別に〜、なんでもあらへんよVv」
「気味わりぃ奴」

棗に怪しまれながらも、蜜柑は何とかバラの花を隠し通した。


その次の日も、また次の日も1本の真っ赤なバラの花が蜜柑の机の中に入れられていた。

「まったく、バラの花を毎日1本ずつだなんてケチくさい奴ね。
 どうせなら100本くらいの花束にして欲しいわ。ま、それより札束の方が断然嬉しいけど。」

『ウチの事が好きな人//////』

「やっぱり蜜柑ちゃんの事が好きな人だねっ」
「5日も続けば絶対本命だよね〜。」

ブツブツ文句を言っている蛍の隣で蜜柑は頬を染めながら嬉しそうにしている。
野乃子ちゃんとアンナちゃんはロマンチック〜等と言いながらうっとりしている。

その時、カサッと音がして1枚の手紙が机の中から出てきた。

「なんやろ?これ…」


『佐倉蜜柑様

大切なお話がありますので、本日の午後8時(お夕食後)に裏庭に来て下さい。

薔薇男』


「バラを贈る゛ばらおとこ゛ね。ダサいネーミングだわ」
「「来た〜〜っ!!」」
「へっ?何が来たん?」
「「「告白よ(だよ)!!!!!」」」
「こ…告白ぅ〜!?」
「そうだよ、蜜柑ちゃんは今日バラの送り主から告白されるんだよっ」

どんな人か楽しみだね〜と妄想を繰り広げている2人の横で蜜柑は青い顔をしていた。

『もし、棗にバレたら……』



〈蜜柑ちゃん想像中〉


『はっ?バラの送り主から告白された?』
『えへっ、そうなんよ〜Vv』
『ほぅ〜、お前が俺様より先に幸せになって良いと思ってるのか?』
『せやかて…されたんやから、しゃーないやん。ウチは悪くあらへんっ』
『問答無用!お仕置きだ』
『へっ?いやー、やめてぇ〜(泣)』


〈想像終了〉



『それだけは絶対避けないと!!!』

「蜜柑ちゃん大丈夫?」
「顔色悪いよ?」
「ふぇ?あ、大丈夫大丈夫!ちょっとビックリしただけや。それより、この事棗には……」
「「それなら大丈夫だよ。絶対言わないから!」」
「1000円(10ラビット)で手を打ちましょう」

『『『お金取るんだ(か)〜』』』


蜜柑は3人の口止めに成功し、安心しきっていた。
そんな蜜柑は、棗の取り巻き達の口を封じることをすっかり忘れていた。






〜午後8時〜


蜜柑は夕食を早く食べ終え、約束の裏庭へと来ていた。


「お待たせしました。初めまして、薔薇男です。」

蜜柑が振り返ると中等部の制服らしきものを着て、手には真っ赤なバラの花束を持った男が立っていた。

「佐倉 蜜柑です。あなたが、毎日ウチの机の中にバラの花を入れとったんですか?ちなみに先輩の本名は?」
「えっ?薔薇男が僕の本名だよ。(先輩////)そうそう、毎日贈ったバラは気に入ってもらえたかな?」

『゛ばらおとこ゛やのうて゛ばらお゛やったんか〜』

蛍でも分からんことはあるんやな〜と蜜柑が考えていると
薔薇男がバラの花束を差し出してきた。

「さ…佐倉 蜜柑さん。こ…これが僕の気持ちです//////受け取って下さい!」
「これ、ウチにくれるん?ありがとう/////」

蜜柑は笑顔でバラの花束を受け取った。

『み、蜜柑ちゃんが受け取ってくれた!ってことは…』


〈薔薇男的方程式〉

花束を受け取る=返事はOK!!!!

「やった〜!」
「ふぇ〜っ!?」

薔薇男は蜜柑を力いっぱい抱きしめ、キスをしようとした。
突然のことに蜜柑は驚き目をギュッと瞑ったが、いっこうに来るはずの感触がなく
かわりに凄い悲鳴が聞こえた。

驚いた蜜柑が目を開けると

「てめぇ、なに人のもんに手ぇ出してんだよっ(決めつけ)」
「「げっ!!(日向)棗っ!!」」

『なんで、棗がおるんよ〜|||||』


機嫌の悪そうな棗が手から炎を出していた。
薔薇男の髪はパンチパーマ状態になっていた。

2人の息ぴったりの発言に棗の機嫌は更に悪くなる。

「日向 棗!!!お前、ペルソナのお気に入りのペットのくせに僕の彼女の蜜柑ちゃんを苦しめるな。(決めつけ)」

『あぁ〜!!言ってはいけないことを〜それにペットって……ん?それより』

「彼女〜!?」
「てめぇ、寝言は寝て言えっ!!(怒)こいつが俺様のものだって証明してやる」

最高潮に機嫌が悪くなった棗は、薔薇男の彼女発言でボーッとしている
蜜柑の顎を掴むと強引に唇を奪った。

「なつ…んんんんんん〜!!」
「あああ〜、僕の蜜柑ちゃんが魔の手に〜||||(決めつけ)」
「はっ?誰がてめぇのもんだ。こいつは生まれた時から俺様のもんなんだよ。(決め付け)
 覚えておけ、変態ばらおとこ」


ぐったりしている蜜柑を抱き上げ、棗は唖然としている薔薇男にバラの花束を
投げつけると自分の部屋へと歩きだした。




棗の部屋に放り込まれた頃、蜜柑はだんだん意識が覚醒してきた。


「てめぇ、なに勝手に告白されてやがる。」
「しゃーないやん。突然のことだったんだし。
 それより棗っ!さっきは人前であんなことするなんて〜(怒)」
「お前が俺様のものだって証明しただけだ(しれっ)」

しれっと勝手なことを言う棗に蜜柑がキレた。

「なっ!さっきから勝手なことばかり言いよって〜(怒)
 いつからウチがあんたのものになったんやっ!」
「生まれたときから(しれっ)この際だから言っておく。これから他人からものをもらうな!
 他人の前で無防備に寝るな!勝手に告白されるな!それから…」
「まだあるんかいっ!何であんたにそんなこと言われないとあかんのや。
 他人の前で寝ないなんてウチには絶対無理や!」

『授業中絶対寝ない約束なんかできるか〜』

「他の奴の前で寝ないことができないだと?」

『こいつ、今まで何人と寝(表なので強制終了!)』


蜜柑は地雷を踏んだことに気付いていなかった。




「ならば、俺様の前以外では寝られないようにしてやる」
「へっ?棗…まさか……||||」

蜜柑は棗にベッドに押し倒され、想像通りのことをされた。




その後


「わかった…分かりました。もう誰からも物を貰いません」
「それから?」
「棗の前以外では寝ません」
「それから?」
「告白されません」
「いいか、絶対守れよ」
「はい……|||」

こうして、2人の『寝る』の解釈の違いにより、蜜柑は棗の部屋にお泊まりすることになった。


綺麗な薔薇には刺がある。






<ちなみに>


「なぁ、なんで、棗があそこにおったん?(どっから洩れたんよ〜(泣))」
「取り巻きに聞いた」
「はっ!(取り巻き達の口止めをするのすっかり忘れとった〜(泣))」
「その顔、お前は俺様を欺けると思ってるみたいだな」
「い・・・いや、決してそんなことは・・・(滝冷汗)」
「もっと、お仕置きが必要みたいだな。」
「っっっっ!!!!(滝汗)」


蜜柑の一言により2人の夜はまだまだ続く。




終わり☆

<後書き>

椎野 ほのか様へ
この度はキリ番、本当におめでとうございます♪

あまり棗君が出てきませんね。(おい)
でも、最後の方で、ちょびっとリクエストに添えたかなと思います(ちょびっと・・・・)
このようなものでもよろしければ、差し上げます。(滝汗)
お受け取り下さい。(返品は一応・・・可能です)

ここまで読んでくださった方、感謝します☆
どっかでみたことのある題だと思われた方、その通りです。
管理人のある日の日記の題名をパクったんです。(自分のだからパクリOK!)
また、世間の『薔薇男君』蛍ちゃんの暴言をお許しください。

H17/6/26(日)
PM12:49
箕田 美夏    拝


+管理人の後書き+

箕田 美夏様のサイトでキリ番を獲得し、「俺様主義」の棗様が登場する小説を
リクエストして貰いました。「俺様気質」100%の棗様が最高です。
本当にありがとうございました。

2005.9.8