【I whisper love by talking in sleep?】



クラス中が賑わっているお昼休み
すやすやと幸せそうに居眠りをしている蜜柑の周りには
何故か大勢の生徒が群がっていた
群がる生徒の中には普段、いつも蜜柑をバカにしている棗の取り巻きたちまでもが
「次は俺!」などと口々に騒ぎ立てている


「…何やってんだ」


蜜柑が騒ぎの中心だと聞いて、流石に棗も気になってしょうがなかった
蜜柑の寝顔が可笑しいとか
そんなくだらないもんだろうと思いつつも足は勝手に騒ぎの中心へ行こうと動いていた


「あ、棗さん!棗さんもやります???」

「……何を」

「星なしがですね〜……まぁ、見ててください!」


そういうと取り巻き男子は蜜柑に近寄り、
眠っている彼女の耳元で「○○○」と自分の名前を囁いた
棗はその光景を見てむっと眉を潜めるが、
次の瞬間


「……嫌いや…ない…」


眠ったまま蜜柑はブツブツと呟いた


「…何だこれ」

「星なしが自分の事をどう思っているかが分かるんですよ」


なるほど、やけに蜜柑を囲む生徒に男子が多いような気がするのは
自分達に対して蜜柑がどんな印象を持っているかが気になる。と
次から次へと大勢の男子が口々に自分の名前を叫び、
蜜柑は「…微妙:」「なんも思わへん…」などと評価をしている


今思えば、蜜柑は結構モテていたんだなと気付かされる


どんどん人数が増えていく野郎共
はじめは幸せそうに寝ていた蜜柑も、周りが騒ぎ立てる所為か今はうなされている
そんなコトお構いなしに男子は蜜柑を取り囲む
こんなに騒いでいるのに一行に目を覚まさないのが不思議だがι


「今のところ一番良いのが“一番の親友(今井)”なんですよ」

「…ふ〜ん……」


黙って眺めていた棗だったが
蜜柑が「ぅぅぅ……」と唸り声をあげ始めたため、流石に可愛そうだと思い
蜜柑を取り囲んでいる男子を押しのけ、近寄っていった
押しのけられた男子は文句を言ったが
棗は気にせずに蜜柑の耳元でぼそっと呟いた


「日向 棗」

「…なつ…め?……」




「大好き」




そう呟かれた
まあ当然といえば当然の答え
けれど実際に蜜柑の口から直に聞くとそれはとても嬉しいもので

棗は突然蜜柑の鼻を指でつまむと
今度は蜜柑の口を自分の口で塞いだ
周りからうっとうしい程注がれる視線




尊敬の眼差しや恨みをこめたような
しばらく沈黙した空気が流れる中、 気道を塞がれて苦しくなった蜜柑はハッと覚醒した
そして、自分のすぐ目の前に棗の顔があり、
今自分がどういう状況に置かれているかを悟ると顔を林檎のように真っ赤に染めた


「なっ…棗っ…//////////」

「…コイツの一番は俺だ。分かったらさっさと散れ」

「???」


蜜柑の首に腕を回し、ぐいと自分の方へ引き寄せ、
棗はクラスの生徒及中・高等部の男子にきっぱりと宣言した
何がなんなのか訳が分からない蜜柑はただただ頭の上にはてなマークを浮かべていた




こいつが大好きな人間?


そんなの、俺に決まってんだろ


例え寝言でも他の奴に“大好き”なんて絶対に言わせねぇからな…




― I whisper love by talking in sleep? ―

                    寝言で愛を囁く?





****あとがき*****

棗蜜柑、どうでしたでしょうか?
ちゃんと読めた物に仕上がってます???
ちょ〜〜っとだけ棗の独占欲(?)要素を含ませてみました
こんな訳分からん文ですが私なりに一生懸命書いた20000Hitお祝い小説ですv
フリーにしようと思うんですが…どなたか貰ってくださる方いらっしゃいますでしょうかっ
も、もし「しょうがないなぁ、貰ってやるよ」ってかたは
ぜひ
ぜひ貰ってやってください!!
*誤字・脱字等がございましたら教えてくださると嬉しいです。

蒼衣


+管理人の後書き+

20000Hitをした蒼衣様のサイトからフリー小説として強奪頂いちゃいましたv
独占欲全快の棗様が最高です!!(>▼<)
例え寝言でも他の男に"好き"と言う言葉を言わせないところなんかが…。
では、このへんで…。

2005.12.5