《B組名物?〜魔の領域〜》



ある日のHR、ざわざわとした教室に鳴海が箱を持って入ってきた。


「はいは〜いvV静かに〜今から席替えをしま〜す♪」


突然の発言にクラスは騒然となるも、鳴海は別段気にすることもなく


「はい、じゃあクジ引いてねぇ〜」

「…わざわざクジ作るなんざ暇人だな」


棗がボソリとつぶやくと、鳴海はうふふ〜と笑いながら


「さぁさぁ、棗くんも引いてねぇ〜ボクと蜜柑ちゃんが作った愛のクジ引きなんだからvV」


鳴海の言葉に棗は


「気持ち悪ぃ事言ってんしゃねぇ、変態教師っ」


そんな事を言いつつ鳴海を睨みつけた。
『愛の〜』というのが、気に入らないのかムッとしていた。
そして、離れたところではクジを引き終わったのか、蜜柑が蛍に抱きついていた。


「蛍、蛍!!何番やった?」

「そういうアンタは?」

「ウチ?ウチはねぇ〜27番やで♪」

「……じゃあ、私の後ろなのね」

「ほんまっ!?きゃ〜vVやった―!!!!」

「……うるさい」


そんな会話を耳にしながら、棗は席順が書いてある黒板を眺めた。


(………水玉の隣は…26と28か…)


そう思い引いた数字は、15番……思い切り離れていた。
そして、傍らの流架のを見ると10番……

どうやっても隣になれない。
二人とも苦笑いをしつつ、やはり親友同士―考えは同じなのである。


片っ端から、26番と28番を探した。
幸い、取り巻きの2人が持っていて有無を言わさず交換した。
全員クジが引き終わり、鳴海は


「じゃ、みんな移動してねぇ〜……じゃ、副担先生、後よろしくね☆」

「えぇ〜!?な、鳴海先生ぇぇ〜(TдT)」


とさっさと教室から出ていってしまった。
ガタガタと荷物を持ち、引いた番号の席に座ると蜜柑は驚いた。


「なんやっ!?隣って流架ぴょんと棗なん!?」

「……なんだよ、なんか文句あんのか」

「…うん、よろしくね…佐倉」


あいさつをしてくる流架とムスっとした態度の棗に


「…なんや愛想ないやっちゃなぁ〜流架ぴょんみたく『よろしく』とか言われへんのかい」

「…誰がてめぇによろしくなんか言うかよ、ブス」

「ムキー!!腹立つやっちゃな!!あ、委員長♪蛍の隣なん?」


前の席に座る隣の席に座る委員長の姿を捉え、嬉しそうに聞いた。
委員長も恥ずかしそうに顔を赤くして


「うん、よろしくね蜜柑ちゃん////」


こうして、席替えをしたのだか蜜柑を挟み、水面下で冷たい戦いの火蓋を切られた事を知らない蜜柑だった。


やがて授業が始まると


「うぅん?分からへん…流架ぴょん」


ぴとりと隣の流架にくっつくと、蜜柑は


「ここ、どうやるん?」

「さ、佐倉っ…////」

「うん?なに?」


ぴったりとくっついてこられ、流架は真っ赤になるが蜜柑は気にせずくっついた。
焦りつつも解き方を教えてやると


「あぁ!!なるほどな♪流架ぴょん、ありがとうvV」


と満面の笑みを溢した。
その不意打ちの笑顔に、流架はますます顔を真っ赤にしていく。
が、そこに突き刺さる視線が3つ
ハッとして顔を上げると、斜め前の席からはうすら笑いをしつつも瞳はどうみても笑っていない蛍、
その横の委員長はなぜか眼鏡の奥の瞳が見えなかった。
そして、蜜柑を挟んだ隣の棗からは、眉間に皺をよせ見られていた。
恐ろしい視線と黒いオーラにびくびくした流架であった。

この日から、羨ましさと嫉みで、よく黒いオーラが授業中見られるようになる。

そこに踏み込む者は、どこかに飛ばされるとかなんと囁かれ【B組のバミューダ海峡】と影で言われるようになっていた。




END


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あとがき

ってか、飛ばされないから!!

なんかね、思い描いていた話とはかけ離れてしまいました…
なんじゃ?こりゃ?
えーっと、えーっと、席替えして本当は蜜柑を囲んで3角形だったんですが、委員長も参戦させてみた。
まぁ、彼はおとなしめになってます。アハハ

では、こんな駄作読んで下さってありがとうございましたm(__)m


'05/3/1


※管理人の後書きは「嫉妬と不安」のページに御座います。