いいとか悪いとか

関係なく

気付けば手を取って

走っていた。



《 奪取 》




いつものような日常

今日も親友はあの子と口ケンカをしていた。


「だから〜なんで一々無視すんねん!!」

「お前のキンキン声、煩い!黙れっ!!」

「ムキーー!!」


そんな事言ってる親友だが、本当は佐倉と話せて嬉しいのが分かる。
たぶん、他の人から見ればイヤがってる様に見えるけど…


本当は……普通の男と同じ…

好きな女の子をイジメるタイプだ。


たぶん、これに気付いてるのは冷ややかな視線を投げている今井と心読みだと思う。


「だーかーらー、翼センパイから貰ったキーホルダー返しぃ〜〜!!」

「はっ!!知らねぇよ…そんなモン!!」

「アンタが取ったんだろがぁ〜〜!!!!」



気付かない佐倉もだけど

棗も気付いてないのかな?

自分の気持ちに…



睨み合いながらも二人は
今、互いしか見えていない。



なんだか

こんなにそばに…

隣にいるのに…

気付いてもらえないのが悔しくて…

こっちを見て欲しくて…

気付けば手を取って走っていた。



「えっ!?ルカぴょんっ!!」

「……ルカっ!?」



騒めく教室を飛び出した瞬間

棗の顔が驚いているような…

怒っているような…

そんな顔が目に入った。




繋いだ手がドキドキして
なにもかもが可笑しくなりそうだ。



気付けば、いつも目で追っていた。

だが、彼女は俺を見ないで

いつも隣の棗を見ていた。

大切な親友さえも憎いと初めて思った。


そんな思い、持ちたくなかったのに…。



(ずるいよ…棗…)



だけど、もう引き返せない。

好きになってしまったんだから…。

棗を傷つけるのを承知で…

覚悟を決めて…奪ってしまおう。




「……るっ…ルカぴょん…!?ドコまで行くんっ…」



声をかけられ振り向くと、真っ赤な少女が目に入る。

肩で息をしている少女を抱きしめ



「…きみが…好きなんだ…」



覚悟を決めて

君を愛そう。

たとえ、親友を敵に回しても


好きになってしまったモノは止まらない。

止めること出来ない。


この思い……





END


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あとがき

スイッチ入りまくりなんですが…
更新しすぎですね(苦笑)

さて、今回は【蜜柑←流架】ですかね?
流架ぴょんの覚悟と言うますか…
こんなの流架ぴょんじゃないよね…

お目汚しですみませんでしたm(__)m


'04/11/3


※管理人の後書きは「嫉妬と不安」のページに御座います。