++大切なもの++


風がさわやかに吹く昼のこと_____。

佐倉蜜柑という少女が空をみていました____。

「蜜柑。」

彼女を呼ぶのは

「棗。・・もうすぐやね。」

彼、日向棗でした。

「あぁ。」

もうすぐで1年だ。
あっという間やったなー。ここまで。。

「・・辛いか・・?」
「なんで?・・そんなわけない。嬉しいよ。」

笑顔になる蜜柑。

「けど、苦しかったかな。・・・棗?・・棗も大変やったから気にせいへんでよ。」

そうか。
少なからず辛い表情になる棗。

「棗!!」
「蜜柑・・?」
「そんな顔したら生まれてくる子どもも可愛そうやんか!」

蜜柑・・。

棗?覚えてるやろ?

棗がプロポーズしたときのこと___。

当たり前だ。あのときばかりはオレでも緊張した。わすれるわけがねー・・。

そうなん?


クスクスと笑う蜜柑。



あれは今日の天気の日やったもんな。

あぁ。それで空見てるのか?

うん。

気が気じゃなかったぜ?虫がよってきたからな。

わー可愛そうやなー。 仮にも取り巻きたちなんに。

あいつら、オレの顔色みながら従うだけだ。

まー・・そうやろね・・。

・・棗?

髪おろしたりするから。ま、そっの方が似合うけど。


そういい、蜜柑の髪に手をのばす。


゛おろせ゛いうたの棗やろ?

覚えてるとは思わなかったな。

棗ー!

まーまー。

もう。  なー棗?ウチら親になるんよね?・・自覚たりんよ・・ウチ。

不安か?

うん。

そうか。・・けど・・いやいい。・・生んでくれますか?オレとの子供を。

はい。もちろん。

蜜柑・・。

大丈夫やよ。棗、成功するよ。そばにいなくなったりしーへんよ。

そういい、抱き締める棗。




風がさわやかに吹いた日、髪が乱れないようにおさえながら話す昼の出来事_____。





終わり

後書き

白神 銀那様のサイトでキリ番を獲得しましたので小説をリクエストして貰いました。
甘々そうに見えますが、切ない内容も含まれています。
この小説では蜜柑は、病気に冒されながらも妊娠していると言う設定になっています。
素晴らしい小説を ありがとうございました!!

2005.9.15