1人1人、願いは有る物
その願いの大きさは比べられるものではない。
人が違うのだから……
ある人は、デザイナーになりたいと思い。
又、ある人は、モデルになりたいと思い。
アリスが生かせる職に就きたいという人もいるだろう。
しかし、きっと皆が1番に思うのは
家族の事なのだ――――――――――
もう直ぐ七夕。
皆は、願い事について話していた。
「もう直ぐ七夕だよねー」
「うん。」
「何お願いする―?」
「「「「「「そうだねー……」」」」」」
と、皆が考えてる中
蜜柑の願いは決まっていた。
幼い頃から変わらぬ願い。
「なぁ、蛍?」
「何よ……」
「ウチの願いは、いつか叶うかなぁ……」
「さぁね……」
「やっぱり難しいんかな……」
「そうね……」
「この願いは……名前書かない方がええかな?」
「ええ……だって皆、同じだもの……」
皆の願い。
其れは、親兄弟に逢える事。
皆は此処に来る前に、毎日見ている両親の顔。
しかし、蜜柑は親がいない……
この事を知っているのは、この学園内では蛍だけ。
書かないほうがいいかもしれないが、其れが蜜柑の最大の願いなのだ。
もし逢えたら……どんなに嬉しくて腹だたしい事か。
どうして育ててくれなかったと、まず最初に怒るだろう。
そして嬉しさで泣き付くだろう。
そして蜜柑は、願いを書いた短冊を誰にも見られないように笹に飾った。
翌日
「ねぇ、蜜柑ちゃんお願い決まった?」
「まっ、まだだよ……中々決まらへん……」
「私も……中々決められないの、やりたい事多すぎて……」
「あはは……」(ウチの願い事……皆には言えへんよな……)
「棗……」
「何だ……蜜柑か……」
「何してんの?」
「お前……」
「へっ?」
「何で嘘吐いたんだ………」
「えっ……なっ…何言って……」
「お前、嘘吐くの下手すぎ……バレバレなんだよ……」
「べっ…別にええやん言わんでも……」
「で、何なんだよ……お前の願い事……」
「なっ…何で、あんたに教えなあかんの!!!!!!」
「やっぱ決まってんじゃん……」
「あっ!!!!!」(しまった――――――)
しかし、時既に遅し。
話すまで離さねぇとでも言うかのような棗に、寮の壁に追いやられた。
「で?何なんだよ、お前の願い」
「だから、何であんたに言わなかんの?」
「何と無くだよバーカ……」
「じゃあ、ええやん……」
「別にいいけど…お前が自室に帰れねぇだけだから……」
「はぁ!!!!!!」
「この体勢、変えるつもりねぇから……」
「ちょっ…ちょっと…///////////」
「さあ……言え」
「嫌!!!!!」
「なら、このままだぜ?」
「教えるよりマシ……」
「ほう……なら、このままで居させて貰いましょうかね……」
以下エンドレス……
ウチの願いが叶う日は来るんかなぁ……
その前に
早くこの状況から誰か救い出してください……
貴方の願いはなんですか?
終わり
後書き
A・A様のサイトからフリー小説を
棗の前では、蜜柑はポーカーには向いてない人間っぽいですよね・・・。(棗限定で)
言い逃れをしようとしても、棗が容赦なく畳みかけて来ますから
逃げる余地がないのが最高でした!!
素晴らしいフリー小説をありがとうございました!!
2005.9.14