++燃え上がれ++


「あっ、蜜柑ちゃんだ!」
「いつ見ても綺麗だな〜……」

高1になった蜜柑は、アリス学園のプリンセスとして男子生徒の注目の的になっていた。

「やあ…、蜜柑。今日もさわやかな朝だね〜」

蜜柑の目の前に現れたこの男子生徒の名は……瀧島 歩(たきしま あゆみ)。
【プリンセス・ミカン】5代目の会長である。
【プリンセス・ミカン】会長 皆川 学がアリス学園を卒業し、ファンクラブは
解散したかのように思えたが…当時、【プリンセス・ミカン】中等部1年代表だった瀧島 歩が
高3になると同時に会長に就任した。
瀧島が【プリンセス・ミカン】会長に就任したのをきっかけに、学園内で悪い幅を広げ始めたのだ。

「…すみません。急がないと遅刻してしまいますので…」

親友である蛍から、瀧島は評判が良くないと聞いていたので
蜜柑は、そんな彼を無視して教室に急いで入ろうとしたが
いきなり瀧島が、行く手を遮る。

「…何ですか!?いきなり!!」
「…言っておくが、俺は…歴代の会長とは違って甘くねぇんだよ」

瀧島は、指をパチンッと鳴らした。
すると、何処からともなくファンクラブの男子2人が現れ、蜜柑を取り押さえた。

「俺の部屋に連れて行け」    
「それは構いませんが…今日の授業はどうするんですか?」
「サボる」 

キッパリと言う瀧島。

「やだぁっ!!離してぇっ!!」

必死に腕を振り払おうとする蜜柑だが、男子2人分の力によって
両腕を押さえ付けられているので逃げるに逃げれない…。

「君の髪は、いつ見ても綺麗で艶めかし…」


ドカッ……!!!!


背後から突然蹴りが炸裂し、瀧島は無様な姿で吹っ飛んだ。

「…朝っぱらから人様の女の尻を追い回して楽しいか?変態下半身男」

瀧島に蹴りを入れたのは、ご存じ【プリンセス・ミカン】の天敵・日向 棗。
蜜柑の彼氏である。

「テメェ…日向 棗ぇ!!毎回、毎回俺たちの邪魔ばかりしやがって!!
 曲がりなりにも俺は高3だぞ!!目上の人に対して、後ろから蹴りをお見舞いして
 只ですむと思ってんじゃねーだろーな!?」
「すみません、生まれつき足癖が悪いもんでして…」

100%ワザと蹴りをお見舞いしましたと言いたげに答える棗。

「ペルソナの前では借りてきた猫みたいになるクセに、大口叩いてんじゃねーよ!!」


ピキッ……!


瀧島の口から出た言葉に、蜜柑の顔が真っ青になる。
知らずのうちに彼は、絶対に言ってはならない「禁句(タブー)」を
口にしてしまったのだ。 
勿論、棗は目の前にいる瀧島たちをアリスを使って焼き払おうと思ったが
こんな馬鹿共を相手に、アリスを使う価値なんかないと思った棗は、怒りの鉄拳で
瀧島たちを徹底的にボコった後、ゴミ袋の中に詰め、ゴミ捨て場に直結している
ダストシュートに問答無用で放り込んだ。









棗の機嫌が最悪レベルだと悟った蜜柑は、そのまま教室に行こうとしたが
あっさりと捕まってしまい…。

「さぁて…傷ついた俺様の心を慰めてもらおうか…」
「へ!?ふ…ぅ…んんっ…//////」

蜜柑の顎を掴み、強引にキスをした。
何時間にも及ぶかのように…。
唇が離れ、銀色の粘っこい糸が2人を繋いだ。
棗は、くったりした蜜柑を抱きかかえ、そのまま寮へと移動する。

「…あ、あの…教室に…行きたいんやけど…」
「言っただろ?傷ついた俺様の心を慰めろと…」
「ま、まさか…!?」

棗は、ニヤリと笑い…

「そのまさかだ。お前は俺のものだ。
 他の男の事なんか考えさせないようにしてやるから安心しろ」
「〜〜〜〜ッ!!!!(@▲@)//////」

恥ずかしくなるような事を目の前で言われ、蜜柑は顔を真っ赤にしながら
半ば、失神した……。
棗の部屋へと拉致(?)され、燃え上がるような甘い時間を送る羽目になった…。




終わり

後書き

光紀さん お待たせしました。
リクエストである、甘々なつみかん小説は如何でしょうか?
期待に応えられたかどうか分かりませんが、光紀さんに捧げます!!
尚、この小説では蜜柑と棗は高校生の設定ですので…。

2005.9.16