++流架の角笛++



「先生〜〜…すみません。傷薬ありませんか?」
「俺にもお願いしま〜す…」
「痛ぇよ…痛ぇよぉ〜〜…」
「また、貴方たちなの?今回で保健室に来るのは5度目よ!」


【プリンセス・ミカン】の中等部男子3人の身体の至るところに擦り傷や切り傷があった。
その様子に、保健の先生は呆れてものが言えずにいた。









一方、初等部B組の教室内では【プリンセス・ミカン】の男子たちの出入りが
急速に減少しつつあった。何も知らない蜜柑は…。


「この時間やったら、先輩たちが遊びに来てくれはるのに…」
「いいじゃない。半ば押しかけのようなかたちで来られても、教室にいるみんなに
 迷惑がかかるだけなんだしさ…」
「そうかな〜……」

イマイチ納得のいかない流架の台詞に蜜柑が首を傾げる。




佐倉は、ああ言ってるけど……俺は、【プリンセス・ミカン】たちが
教室に押しかけて来るのに大いに反対だ。

昨日だって――――


『おい、放課後の帰りに佐倉さんをセントラルタウンに誘わないか?』
『いいのかよ…。俺たち【プリンセス・ミカン】は、佐倉さんと話しをする時は
 常に2人以上いなきゃ駄目だって皆川先輩に言われてるだろ』
『だったら、滅多に人が来ないところに誘い込めばいいじゃねぇか。
 此処は、普通の学校なんかじゃない。アリス学園だ。
 万が一、佐倉さんが抵抗する場合はアリスを使って黙らせればいいんだよ』

偶然、聞いてしまった【プリンセス・ミカン】の中等部男子たちの会話に
俺は、怒りの頂点に達した。こんな奴らに佐倉を汚されてたまるかと思いながら……


♪♪ ♪♪〜〜〜!!


懐から角笛を取り出し、空高々と鳴らした。
すると、何処からともなく……


ドドドドドドド………


動物の大群が怒濤の如く、【プリンセス・ミカン】の中等部男子たちに目がけて押し寄せてきた。

『『うぎゃあぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜ッ!!!!!』』

あまりの怒濤ぶりに、【プリンセス・ミカン】の中等部男子たちは逃げ出した。









【プリンセス・ミカン】の中高等部の男子たちの擦り傷や切り傷の大量発生事件の原因は
流架の角笛によるものだったのだ。



俺は、佐倉に仇なすものがいたら容赦はしない。

今日は誰が…動物の怒濤の群れの餌食になるのかな…?



流架も、棗とは違った独占欲があるようだ。

蜜柑に妙な真似をして無事でいられる男子は誰1人としていないと言う教訓です……。




終わり

後書き

流架×蜜柑を書くのに慣れてないせいで、かなり短めに終わってしまいました。
角笛を使って動物で怒濤の攻撃をしかけると言う内容に流架ファンから
苦情が来るんじゃないかと不安でなりません。
棗にしろ、流架にしろ、蜜柑に近づいて無事でいられる男はいないと言う教訓の小説です。

2005.9.9