++薄れていく意識の中…++



大体、棗はいつから自分の事を「俺様」と言うようになったのだろうか…?

「…と言う訳で、アリス学園関連のキャンプ場でサマーキャンプを行います♪
 各自、好きな人同士でグループ決めをしてください」

B組の担任である鳴海の話を聞いた蜜柑は、真っ先に…

「ええと…、ウチは蛍と、委員長と、野乃子ちゃん、アンナちゃんを…」


ガシッ…!!


蜜柑が楽しそうにグループ決めをしていると、後ろから首根っこを掴まれた。
掴んだ相手は勿論…

「な〜に、勝手に面子(メンツ)を決めてんだよ。てめぇは俺様と組むんだよ!!」
「な、何でウチがアンタと一緒のグループにならなきゃアカンのや!?
 アンタは女の子たちに人気なんやから、よりどりみどりやろ!!」

蜜柑の言い分を聞いた棗は、ピクッ…と眉間に皺を寄せ…

「ほぅ…。どうやら悪いのは、この口のようだな…」
「!?」

いつもより1オクターブ低い声に、蜜柑は一瞬青ざめたが…。

「ア…アンタの脅しには、もう通用せんわっ!!
 いつまでもウチが言いなりになると思ったら大間違いや!!」
「俺様の言う事が、只のハッタリだと思ってるようだな…。
 じゃあ…ハッタリじゃねぇ事を証明してやるよ」

蜜柑の細い腕をグイッ…と引っ張り、強引に顎を掴んだ。
そして…。


ぶっちゅうぅぅぅ〜


「んんんぅ〜〜〜〜〜!!!!????」

蜜柑の唇が棗の唇によって、奪われてしまった。
しかも只でさえ暑い夏に、心身共に熱くなってしまうような濃厚なキスだから
蜜柑の意識は、すぐに真っ白になった。

その光景を目の当たりにしたパーマを始めとするファンクラブの女子たちは、泡を吹いて失神した。
一方、蜜柑好きな男子たちは「絶句」と言う2文字が頭上にのしかかり、開いた口が塞がらなかった。
やっとの事で、唇が離れた時は銀色の粘っこい糸が2人を繋いでいた。
蜜柑は、頬を真っ赤に染めながらくったりとし、棗の腕の中に大人しく収まっていた…。

「どうだ…?これでもま〜だ俺様と一緒になる気はねぇと、言い張るつもりか?み・か・ん?」

これで蜜柑は、俺様のものだと決まったと思ったそんな矢先の事だった。


バカンッ…!!


背後から殺気を感じた棗は、蜜柑をお姫様抱っこをした状態で素早く避けた。

な・に・が(←強調)「俺様と一緒になる」よ!?
 私の蜜柑に何て事してくれちゃってんのよ!!白昼堂々と…!!」

背後に大蛇神・八岐大蛇(やまたのおろち)を召喚した、蛍様が様々な凶器を棗に突きつけていた。

「棗…TPOとやらが何なのか、この機会に勉強しよう?」

ブラックモードに突入した流架が鳥笛を鳴らそうとしていた。
因みにTPOと言う意味は…「Time Place Occasion」の略である。
更に、その単語を和訳すると…「時と場所と場合」になります。


そして…いつもの如く、御三家による修羅場がB組の教室内で繰り広げられた。


(((((これだから、班決めをするのは嫌なんだよ…)))))


薄れていく意識の中、蜜柑は…


棗は、いつから「俺様主義」になったんやろ…?


…と、棗の腕の中で疑問を抱いていた。




終わり

後書き

「俺様主義」の棗様が君臨しました!!
それと、「女王」蛍様と、「黒」流架様も負けてません…!!
結局、班決めはどうなったかと言うと…いつもと同じ面子に決まりました。
御三家を取り押さえる事が出来るのは、蜜柑だけだからです。
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2005.9.10