++ラブレターの中身++
「え〜と…ノート……ノートは…っと…(汗)」
蜜柑と同じ初等部B組のクラスメイトである豊川(とよかわ)君は、教室にノートを忘れた事を思い出し
初等部寮に着く手前で思い出し、大急ぎでノートを取りに戻って来た。
机の中にノートを発見し、鞄の中に入れようとしたら白い封筒のような物が床に落ちた。
「何だこりゃ…」
封筒に書いてある内容を確かめると、そこには「佐倉 蜜柑」様と書かれていた。
実は今日、ロングホームルームの時間を利用して席替えを行ったのだ。
席替えをしたのを知らずに、手紙の送り主はきっと放課後の時間を利用して手紙を机の中に入れたのだろう。
「誰だか知らねぇけど…馬鹿な奴だな〜。今日、席替えしたばっかなのに……」
とは言え…手紙と言う事は、恐らく「プリンセス・ミカン」からのラブレターだろう。
豊川君はラブレターにどんな内容が書かれているのか気になり、封を切った。
蜜柑にラブレターが来る事はあっても、男ボスの棗に見つかっては、この場で焼却処分されていた…。
あいつも大変だな…と思いながら豊川君は手紙を読み始めた。
「え〜と…佐倉 蜜柑様。僕は貴女の事が大好きです」
まぁ…ラブレターでは良くある文だ…。
「それから?」
「それから…って、何で本田達が此処にいるんだよ!!??」
何時の間にか持ち上げ君こと本田君を筆頭とした棗の取り巻き達がB組の教室の中にいた。
気配を感じなかった豊川君は、もうビックリだった。
「まぁまぁ…これもアニメの世界の都合の良さだよ」
「また「プリンセス・ミカン」の奴が星なしにラブレターを書いたのかよ…。
毎回毎回、棗さんに燃やされてるとも知らずにご苦労な事だよな〜」
「棗さんに見つかったら、せっかくの手紙が燃やされるぞ。
早く読んで聞かせてくれよ」
「…ったく」
こいつらは…と思いながら豊川君は再びラブレターを読み始める。
「貴女の側に寄生虫の如く付きまとっている日向 棗なんかとは比べものにならないくらい
僕は貴女の事を心から愛しています」
ジュースを飲みながら手紙の内容を聞いていた鮫帽子君こと笠井君は
飲んでいたジュースをブーッと吹き出した。
「日向 棗がすっぽんなら僕は月…(汗)」
段々、読んでいくのが怖くなりながらも手紙を読み続ける豊川君。
「日向 棗がぺんぺん草なら僕は薔薇…(大汗)」
「中等部2年 鈴木 裕二……(大汗)」
ボッ!!!!!!
「あちっ…!!!!!!」
ラブレターが突然発火した。
「あっ…(大汗)」
ラブレターを燃やす事が出来るのは只1人…。
「な…つめ…さん…?」
「「「「「!!??」」」」」
ラブレターを燃やしたのは男ボス・棗だった。
内容を一部始終聞いたとしか思えないぐらい、眉間に皺を寄せていた。
この無言の間が1番恐ろしかった。
棗は豊川君達には一言も告げずに教室から出て行った。
一方、教室に残された豊川君達は…。
「俺…悪い事しちゃったかな〜……(汗)」
「とばっちりで殴られるんじゃないかとヒヤヒヤしたぜ」
「大事にならないのを祈るしかねぇよ。病院代…請求されたくねぇから」
「これで大事にならなかったら…俺、奇跡とやらを信じるよ」
罪の意識に悩まされながらも雑談をしていたのだった。
その後…中等部男子寮の一室で大火傷を負った男子生徒を発見した。
原因は未だ不明で、捜査は難航を極めたとか…。
******
「ちょ…っ…棗…痛いっ…離してってば……っ!!!!!!」
「黙れ!!今日は、お仕置きスペシャルだ。絶対に逃がさねぇからな!!!!(大激怒)」
「嫌やぁ〜〜〜〜〜!!!!!!(泣)」
寮に戻った棗は蜜柑を発見し、彼女の腕を強引に引っ張りながら
お仕置きスペシャルをする為に棗の部屋へと強制連行した。
室内では、ベッドの軋む音と蜜柑の甘い声が響いてたとか…。
終わり
後書き
「蜜柑宛てによるラブレター内容」をテーマにしてみました。
何が書かれているのか、本当に気になりますよね。
ラブレターを貰える人が羨ましいです…(ほのかには貰えない代物だと思って諦めてますが)
内容を一部始終聞いた事によって棗様の機嫌が最悪となり
お仕置きスペシャルを受けた蜜柑でした…。
では、このへんで。
2005.11.19