隠し事をしたって無駄だ………。

テメェはポーカーには向いてねぇ人間なんだよ。



++秘密の隠し場所++



「げっ…!!」


蜜柑が鞄の中から教科書やノートを取り出し、机の中に入れようとした時だった。
一瞬だったので、クラスメイト達は気づいていないが、棗は既に気づいていた。
恐らく棗に知られちゃ不都合な物が机の中に入っていたのだろう…。
男絡みだろうと思った棗は、思わず眉間に皺を寄せた。


放課後になり、蜜柑が教室掃除を終わらせて寮に帰ろうと扉を開けると
眉間に皺を寄せ、露骨に怒っている棗が待ちかまえていた。


「な…つめ……」

「…今朝、机の中に何か入ってたんだろ?何が入ってたんだ?」

「えっ…ナニモアリマセンヨ…?」

「…何でカタコトなんだよ?」

「な…何もありませーーーん!!!!!!」

「テメェ…逃がすかっ!!!!!!」


一瞬の隙をついて、蜜柑が物凄いスピードで走っていく。
男絡みに関して逃がすまいと棗がその後を追う。


******


「此処まで来ればエェやろ…っ」


何とか棗から上手く撒いた蜜柑は、スコップを片手に地面を掘り出した。
掘り出した先には、蛍印の発明品『ハマグリパック』があった。
その蓋を開けると、皆川を始めとする『プリンセス・ミカン』の男子達からの手紙が大量に入っていた。

皆川達から手紙を貰っても、封を切る前に棗に見つかっては焼却処分をされてばかりなので
ゆっくりと手紙を読みたい蜜柑は、蛍に頼んで秘密の収納機能を持った発明品が欲しいと頼んだのだ。
収納したい物を『ハマグリパック』中に入れておけば、蓋を閉じたと同時に
自動的に地面の中に埋まるので、蜜柑にとっては非常にありがたい手紙の隠し場所となっているのである。


「皆川先輩達からの手紙が大分溜まってきたし…此処で、ゆっくりと読もう〜っとvv」

「随分、男からの手紙を貰ったんだな」

「そうなんよ…って、&#¢£%§☆&@〜〜〜〜!!??」


背後から聞き覚えのある声に振り向くと、既にブラックモード全快と化した棗が居た。


「なっ…ナンデ…ナツメサンガココニ……?(滝汗)」

「…んなこたぁ今は、どうだっていい。
 それより、男からの手紙をこんなに隠してたとはな…み・か・ん?」

「コレハ、ノノコチャントアンナチャンカラノテガミデスヨ?」

「隠し事をしたって無駄だ…。
 テメェはポーカーには向いてねぇ人間なんだよ」


ジリジリ…と後ろに後退していく蜜柑だが、棗がバンッ…と激しい音を立てながら壁際に追いつめる。
逃げ場を失った蜜柑は、震えながら棗から目線を逸らすが…


「…オラッ、こっち向けよ」

「……っ!!」

「お前は俺様の物だ…他の男からの手紙は必要ないよな?」

「だっ…だって…せっかく貰った手紙を燃やすなんてあんまりやないか…」

「じゃあ…他の男からの手紙なんか必要ないようにしてやるよ。
 来い!!!!!!今から徹底的に調教タイムだ!!!!」

「や〜〜〜……焼却処分しますから許してください!!!!!!(涙)」

「もう遅い!!!!!!(大激怒)」


結局、蜜柑は手紙を隠していた事を棗にバレてしまい
棗以外の男を愛する事が出来なくなったのは言うまでもない……。




終わり


後書き

棗相手に隠し事は出来ない事を学んだ蜜柑ちゃんでした。
今回の棗は、かなり鬼畜路線でしたが如何でしたでしょうか?
人間誰しも秘密の隠し場所が欲しいと言う人が居る事でしょうね…。
では、このへんで…。

2006.1.12