++日向棗流 お仕置き++



「いやだってば…!」

「黙れ。これは、お仕置きなんだからな」

「おっ…お仕置きって――――んんん〜〜〜!?」


ベッドの上に蜜柑。その蜜柑の上に棗と言うかたちで覆い被され
強引に彼女を顎を掴み、唇を塞がれる。
何故、蜜柑が棗に押し倒されたのかと言うと、その理由を遡らせて頂きます。


キュルルルルルル……(←ビデオを巻き戻す音だと思ってください)


「ちょっと、蜜柑。これを飲みなさい」

「へっ?」

「私特性の薬なんだけど、ピンク色が可愛いでしょ?」


可愛いって…、蛍さん。怪しげに見えてなりませんが…。


「…遠慮します。いくらウチでも、怪しげな薬に手をつける気はないから…」

「飲め」(酷)


バカン砲を蜜柑に突きつける蛍。
蛍さん、それはもう既に脅迫ですよ…。
この小説をご覧の皆様、他人を脅迫するような真似は絶対にしないでください。


******


「うぅ〜……蛍め〜…、得体の知れない薬を飲ませるなんて…。
 一体、何を考えているんや…」


最初の頃は、何の効果もないと思われていたが…。


(あれ……?何だか知らんけど…身体が妙に…怠い…)


薬の効果が徐々に現れ始め、身体は怠くなり、頬が真っ赤に染まってきた。
蛍が飲ませたピンク色の薬…。
その正体は、即効性と持続性に優れている『媚薬』だったのだ。
何てものを親友に飲ませるんですか、蛍さん……。


「おい。何だか今日の佐倉、やけに色っぽく感じないか…?//////」

「うん…//////。あの潤んだ茶金色の瞳がいつもより綺麗に感じるよ」

「顔が赤いけど、熱でもあるのかな…?//////」


蜜柑の異変に気づいた男子たちが一斉に顔を赤くしながら彼女を盗み見したりする。
『キングオブ★独占欲』の異名を持つ棗は、男子たちの会話に眉間に皺を寄せた。


(やばい…!こんな状態で、棗に拉致されたら一溜まりもあらへん…!
 今日は、棗と目線が合わないようにしないと…!!(大汗)


棗には悪いと思いながらも、今日一日は目線が合わぬよう
半径1メートル以上の場所にいたり、体育の授業で男女ペアにならぬよう
棗との接触をさけていた。
然し、放課後になり蜜柑が帰り支度を終えて教室から出ようとした時だった…。
教室の扉を開けた途端、棗が廊下で待ち構えていた。
眉間に皺を寄せ、ドス黒いオーラを放っている。


「…やっと2人きりになれたな。み・か・ん?」

「な…棗?何で此処に…?(こんな状態で2人きりだなんて酷や(大汗)」

「何で俺様を避けたのかな〜?」

「えっ?さ…避けてなんか…(大汗)」


そんな事はないと慌てて否定する蜜柑だが


「じゃあ何で、休み時間の時は常に半径1メートル以上の場所にいたんだ?
 飯を食ってる時は、俺様の様子を気にするかのようにギクシャクしながら食ってたり
 今日の体育の授業だって俺様じゃなくて、杉崎(超聴覚の少年)の奴とペアになったんだ?(怒)」
 ↑(蜜柑のペアの相手は自分しかいないと思っている/笑)


「それは…棗の思い過ごしやろ…?(大汗)」

「とぼけんじゃねぇ…。俺様に知られちゃマズイ事を隠してんだろ?」

「か…隠してなんか…(大汗)」


畳みかけるように蜜柑の側に来る棗。


「…おい。何で俺様が1歩近づくと、お前が1歩下がるんだ?」

「そ…それは…(大汗)」

「それは……何だよ?」

「何でもあらへん!!!!」


蜜柑は脱兎の如く逃げ出した。
が、棗が彼女の後を追うかのように走り出す。


「何でついて来んの〜〜〜!?」

「………」

「返事なしかい!!」


媚薬によって身体が蝕まれつつある蜜柑だが、全力で走っていた。


「何でついて来んの〜〜〜!?」

「逃げるから」

「逃げさせて〜〜〜!!!!」

「やだ(キッパリ)」


このまま逃げ続けても、いつかは捕まってしまう…。
何処かに隠れなければ…と、必死に隠れる場所を探す。


(こうなったらしゃあない…!体育倉庫の中に隠れよう!!)


蜜柑は体育倉庫の中に入り、棗が入って来れないよう扉の鍵をかけた。


(ちっ…、見失ったか…)


棗は半ば諦めたかのように寮に帰って行く。
どうやら上手く撒いたようだ。




夕方になり、蜜柑は棗に見つからぬよう寮に戻った。
媚薬によって蝕まれた身体でこれ以上、歩ける状態じゃない蜜柑は自分の部屋にあるベッドで
横になろうと部屋の扉を開けようとしたが…。


グイッ!!


と腕を引っ張られて、あっという間に部屋に押し込められた。


「…随分、遅かったな」

「な…棗、どうやってウチの部屋に…?(大汗)」

「窓の鍵を開けて入った(キッパリ)」


セキュリティーシステムを施していない窓の鍵を開けるのは、棗にとって容易い事だ。


「さて……(ニヤリ)」

「へっ…」


棗は素早く蜜柑を抱きかかえ、ベッドの上に押し倒した。
その上に棗が覆い被さっているので、完全に逃げられない。


「なっ…何をする気ですか…棗さん……(涙)」

「俺様から逃げた罰として…その分、お前にお仕置きをしないとな…」

「やっ…やだ…ぁ…や…めて……お願い…棗……っ…(涙)」

「頂きます♪」




俺様から逃げられると思ったら大間違いだ。

今日は、土曜日だし…。

俺様以外の男なんか、愛せないようにしてやるからな…。




終わり

後書き

この小説も台詞の一部を手直ししました。
手直ししなければならない程、文才がないのかな〜……と、思いました。
この小説が好きだと言う人が多いですので、早めに再アップしました。
「どうやって蜜柑の部屋に侵入したんだ!?」と言う質問が来るかもしれませんので
この場でお答えします。棗は、危険能力系ですから任務先に侵入する為に
ピッキング(扉の鍵を開ける)の知識を植え付けられたんじゃないかと思われます。
シングルの部屋ならば、窓にセキュリティーシステムは施されてないと思いますし
棗でしたら蜜柑の部屋に侵入するのは、容易い…と言う事です。
説明が下手で申し訳ありません。納得して頂ければ幸いなんですが…。

2005.9.5