++蜜柑の長い夏休み++



「せんぱ〜〜い〜〜…早く〜早く〜〜!!」


暑い真夏のセントラルタウン……
【プリンセス・ミカン】らは、我が愛する蜜柑と一緒に
この夏に新装オープンしたウォーターパークに遊びに来ていた。


「いいねぇ いいねぇ〜…」


可愛らしいピンク色をした蜜柑の水着姿に、会長である皆川は思いっきり鼻の下を伸ばしている。


「皆川…、公衆の面々でみっともないぞ…」

「珍しいな〜…最近、俺たちと付き合いの悪い椎野が『行く』と言うなんて…」


毎回、毎回、御三家にボコられたくない副会長の椎野は暫くの間、他のクラスメイトと行動をしていた。


「…俺たち、高校3年だろ?」

「あぁ…、確かにそうだが…」

「学園生活最後の夏ぐらい……」

「?」

「蜜柑の
ピチピチ水着姿を拝みたかったから…」

「「「「そういう言い方はやめろっ!!!!!!」」」」


ピチピチって…古すぎますよ?椎野君……。


「青少年として至極当然の事を……」
「テメェは…青少年としての意見から逸脱してんだよ……(怒)」


椎野にヘッドロックをぶちかます山岸。


「山岸先輩〜。椎野先輩を虐めないで〜……(涙)」

「えっ…いやっ…これはな…その……っ…」


慌てて、椎野を離した。


「児玉先輩〜…ウォータースライダー行きません?」

「えっ?」

「よかったな〜…児玉。蜜柑から直々のお誘いだぞ?」

「五月蝿い!!//////」


功刀(くぬぎ)の嫌がらせ(?)に、児玉はプイッとそっぽ向く。


「それじゃ〜レッツゴー!!」

「うわっ!!」

(蜜柑直々の誘いだから断り切れなかったけど、俺は…ジェットコースター系……苦手なんだよ〜)


児玉は、スピードの勢いに怖くなったのか思わず蜜柑にしがみついてしまった。
しかし……!!!!



ギュッ……!!


「嫌あぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!!」


発展途上とは言え、蜜柑の胸を両手で思いきり掴んでしまった。
ほんの一瞬とは言え、蜜柑の胸の感触を思いきり味わった児玉は満足していた。


「もうっ!!児玉先輩ったら!!!!//////」

「ごっ…ゴメンッ!!俺…コースター系は苦手だったから、つい……//////」

「みっ…蜜柑っ…//////皆川たちのところへ先に帰っててくれないか…?
 俺は、もうちょっと泳いでいたいから…//////」

「?」

「その必要はねぇ」

「「へ?」」


聞き覚えのあるドスの利いた低い声の正体は……


「「(日向)棗ぇ!!??」」

(何で棗が、こんなところにいるんや〜〜〜!?」


鬼よりも怖い形相をした棗が目の前に立っていた。
蜜柑がウォーターパークにいる事を棗が知っているはずがない。
しかし、その棗が蜜柑の目の前に現れた事に動揺を隠しきれなかった。


「テメェ…俺様の物に気安く触るんじゃねぇ(決めつけ)」


棗は勢いよく蜜柑をぶん取った。


「そーゆーテメェこそ、こんなところで何やってんのかな〜〜〜?」

「……素直に離れるのと、くたばるの……どっちが良いか選べ(拒否権無しで)」

「へっ!どっちもやなこった!!黒猫ちゃんは大人しくペルソナのペットとして、ペルソナに可愛がって貰え!!」


児玉は、そう吐き捨てながら蜜柑を皆川たちのところへと連れて行こうとする。
この一言がいけなかった……
完全にブチ切れた棗の黒髪がスーパーサ●ヤ人の如く、邪悪なオーラを纏いながら逆立った。
棗はロープを取り出し、電光石火の早業の如く児玉の身体をロープで縛り上げた。


「なっ…なつめぇ〜〜〜!!!!(大汗)」

「テメェ!!日向 棗ぇ!!!!目上の人に対して何しやがるんだ!!
 つーか…ロープなんて、どっから取り出したんだーーーーっ!!??」

「いちいち五月蝿ぇんだよボケ…ッ。アニメの世界の都合の良さも知らねぇのかよ…!」


更に大きな岩を用意し、それをロープでグルグル巻き状態の児玉の身体に括り付けた。


「なっ…なつめっ…まさか……(大汗)」

「そのまさかだ」



ドカッ…!!


ザバァーーーーーッン……!!!!!!


大きな岩を背負った児玉をプールの中に蹴り落とした。(躊躇なく)

注意:良い子は絶対に真似をしないでください。


「なつめぇ〜〜〜!!!!児玉先輩に何て事するんや〜〜〜!!!!」 

「知るかよ…。俺様の物に手を出した天罰だと思え(しれっと)」

「いつからウチがアンタの物になったんや!?」

「生まれた時から(しれっと)それより……後ろから胸を触られたんだってな…?(ニヤリ)」

「あ…あれは……事故……||||」


棗の赤い瞳の不適さに、蜜柑は一瞬で顔を青ざめる。
蜜柑は必死で弁解しようとするが……


「来いっ!!!!」



グイッ…!!!!


「夏休み中は、俺様の部屋から一歩も外に出さねぇからな!!!!
 勿論、外出も俺様と同行のみだ!!!!」

「いやだ〜〜〜〜っ!!離せ〜〜〜〜……!!!!」

「離したら逃げるだろうがッ!!ボケッ!!」

「アンタの部屋に夏休み中いたら、根も葉もない噂が
ま〜〜た(←強調)飛び交うやないか〜〜〜ッ!!」

「他の男と楽しそうにしてたテメェが悪い(しれっと)」

「誰か助けてぇぇぇぇ〜〜〜〜………」


蜜柑の必死の抵抗も空しく、棗の部屋へと連行されました。
しかも、夏休み中……。


こうして……蜜柑にとって地獄の長い夏休みが始まった……。




2学期の始業式……

棗は蜜柑を自分の物にし、満足げに登校して来ましたとさ……。




終わり


後書き

なつみかんでプールネタです!!
副会長の椎野君は、御三家たちにボコられらくないが為に暫く登場をお休みさせていたましたが
今回は、蜜柑の水着姿を拝みたいが為に登場させました。

本編で棗が児玉の身体に岩を括り付け、プールの中に蹴り落としましたけど
この小説を読んだ人は、絶対に真似をしないでください…。(汗)

2005.9.8