++trick or treat!++



10月の中旬になると、セントラルタウンを始めとするアリス学園内は
ハロウィンモード一色に染まる。
31日のハロウィン当日になると、学園の生徒や教師たちは
吸血鬼や骸骨、魔女などと言った悪魔の姿に仮装をするので
学園祭やクリスマス祭と並んで楽しい行事の1つとなっている。


「俺、授業が終わったらセントラルタウンに行って
 お菓子を買ってくるよ」

「えっ?何でだよ!?」

「お前、知らねぇのか?お菓子を持ってないと悪戯されちまうんだぞ」

「うぇ〜…そうなのかよ〜……」


取り巻きたちの何気ない会話を聞いた棗は、何か悪戯を思いついたのかニヤリと笑った。


******


10月31日 ハロウィン祭 当日


蜜柑はカボチャを象った帽子を被り、魔女のような黒服にオレンジのマントによる仮装の準備を終え
ご馳走の待っているパーティー会場に行こうと部屋のドアを開けようとした……


「trick or treat!」


ドアを開けた途端、その先にいたのは吸血鬼の姿をした棗だった。


「なつめぇ!!他人の部屋に入る時は、ノックぐらいせぇ!!」

「ガタガタ言ってんじゃねぇよ…。それより、trick or treat…だ!!」

「な、何やねん?偉そうにtrick or treat…って」


「trick or treat!」の意味を知らない蜜柑は頭上に?マークを大量に出している。


「ハロウィンとやらの本当の目的を教えてやるよ…」

「……っ!」


棗はニヤリと不気味な笑みを浮かべながら唯一の逃げ道である
部屋のドアの鍵をガチャリ…と音を立てて密室をセッティングした。
そんな棗に、蜜柑はビクッと恐怖に駆られ、ジリジリ…と後退するが
壁際へ追いつめられてしまう。


「trick or treat…とはな、お菓子をくれなきゃ悪戯するぞ…って事だ」


追いつめられた蜜柑の耳元で意地悪っぽく囁く棗。


「ウ…ウチ…お菓子なんか持ってへん……っ
 せやから…勘弁して……(涙)」


ハロウィンを経験するのが初めてな蜜柑は、セントラルタウンで
お菓子を購入していなかったのだ。


「ほぅ…?この俺様に、お菓子をくれねぇのか?それじゃあ……」

「!」


棗は蜜柑を、お姫様抱っこで抱き上げた。
向かった先は勿論……


バフッ……!


ベッドの上だった。


「悪戯させて貰いましょうかねぇ…(ニヤリ)」 

「やっ…やめ……んんんぅ〜〜〜〜!!!!//////」


抵抗出来ないように、両手首を片手で押さえ付けながら濃厚なキスをする。
それと同時に棗は、蜜柑の服のボタンを器用に1つずつ外していく……。




棗の熱くて激しい悪戯がベッドの上で始まった……




終わり

後書き

久しぶりに小説をアップしました。
ネタの提供募集を開始したら、棗×蜜柑でハロウィンネタの提供を頂きました!!
随分、待たせてしまって申し訳ありませんでした。
この小説は、蒼乃 ひなた様のみ お持ち帰りを許可しています。
こんな駄文で宜しければ、お土産として煮るなり焼くなり好きにして結構です。

2005.9.20