++最高のプレゼント++



「メリークリスマス」


サンタ風のコスプレ服を着た蜜柑が深夜の高等部寮の各部屋にプレゼントの入った箱を机の上に置いていく。
学園側からのプレゼントをサプライズ風に渡す為に、今年のサンタ役に蜜柑が選ばれたのだ。
袋の中に入っているプレゼントは、あと1つ……。
蜜柑にとって、史上最大の難関とも言われている
あの人の部屋へと向かう。


こっそりと部屋の扉を開け、足音を立てないようにベッドの側に行く。
独占欲の塊とも言われている蜜柑の彼氏である棗が眠っていた。
ぐっすり眠っている様子に安心した蜜柑はプレゼントを机の上に置いて
この場を立ち去ろうとする蜜柑だが、世の中そんなに甘くない出来事が起こった。


グイッ…!!

ドサッ…!!


「わっ…!な、な、な…何っ!?」


いきなり腕を掴まれ、蜜柑はベッドの上に押し倒された。


「人様の部屋に空き巣の如く無断で入ってきた挙げ句、そのままトンズラかよ(微怒)」

「ち、違…っ…学園側からのクリスマスプレゼントを渡す為に来たんや…」

「ほぅ…プレゼントねぇ…。勿論、1番最初に渡しに来たんだよな?」

「1番最後やけど」

「おい(怒)」


1番最後と言う単語に棗は怒りの声を上げる。
1番最初に渡しに来てくれると思ってたからだ。


「と…とにかく…メリークリスマス。
 ほな…ウチは、部屋に戻って寝るから…」


何とかして棗から逃れようとベッドから出ようとする蜜柑だが、相手は独占欲の塊である棗だ。
そう簡単に逃げられる可能性はゼロに等しい。


「待てよ」


グイッ…!!


「ひゃっ…!!」


いきなり腕を引っ張られ、再び押し倒される。
あの棗から逃げられる筈が無かった……。


「俺…まだプレゼントを貰ってないんだけど…?」

「机の上にあるやないか…っ」

「それは学園側のだろ?俺が欲しいのは…お前からのだよ」


棗は寝ているフリを装いながら蜜柑からのクリスマスプレゼントを貰うのを楽しみに待ってたのだ。


「…ナニガホシインデスカ…?」

「何でカタコトなんだよ?正直に言って欲しいのか??」


ニヤリと怪しげに笑う棗の雰囲気を見てヤバイと感じた蜜柑は顔中に汗を垂らす。


「い…いや…棗の喜びそうな物が分からへんし…プレゼントは用意してな…っ!!(汗)」


ハッとした蜜柑は、とっさに口を塞いだが時は既に遅し……。
クリスマスプレゼントを用意するのを忘れた蜜柑に、棗の赤い瞳は怪しげに厭らしく光っていた。
棗はニヤリと笑いながら…


「しょうがねぇな…今年のクリスマスは、何時もと違ったかたちで激しくヤると言う事で…」

「ひいぃ〜〜〜〜!!!!!!(涙)」


プレゼントを忘れた罰として、蜜柑は何時も以上に棗に鳴かされた。
クリスマスの当日…蜜柑は、まともに動ける状態ではなかったとか…。




終わり


後書き

レイナ様からリクのメールが届きましたので、季節外れながらもリク小説を書きました。
高等部Verで、甘々…と言う設定でお願いしますとメールに書かれてましたが
こんな駄文で満足して頂けたでしょうか?
レイナ様のみ、この小説のお持ち帰り可能ですので…。
では、このへんで…。

2005.1.22