++狼と7匹の子ヤギ++



昔々…、ある所にお母さんヤギと7匹の子ヤギが一軒家に住んでいました。


「みんなー。お母さんは出かけるけど、留守中に狼が来る可能性があるから
 決して、ドアを開けるんやないよー」


お母さんヤギの蜜柑は、子ヤギの蛍、流架、委員長、野乃子、アンナ、心読み君、キツネ目君に
悪名高いと噂されている狼を安易に家の中に入れないよう言い聞かせました。


「…私たちは、そんなヘマをしないわよ。それより、お土産宜しくね」

「蛍ぅ〜……(涙)」


蜜柑は、思わず泣きながら擦り寄ります…。


「とっとと、お使いにいけ」


バカン砲を突きつける蛍に、蜜柑は「常に鍵をかけた状態でいるんやよー」と言いながら
慌てふためいた状態で家から出て行きました。


(予定通り、家から出たか…)


そんな様子をニヤリと笑いながら、木の上から眺めている者がいました。
悪名高いと噂されている狼の棗です。
狙いはやはり7匹の子ヤギたちでしょうか!?


******


「うぅ〜…蛍め…、仮にもお母さんであるウチにバカン砲をつきつけなくても…」


蜜柑は、ブツブツ言いながら早いとこ、お使いをすませようと急ぎ足で森の中へ入っていきました。



ガサッ……


「!?」


蜜柑は急ぎ足でお使いをすませようとしたのに、動きが止まってしまいました。
茂みの中から現れたのは、悪名高いと噂されている狼の棗でした。
蜜柑は、突然狼が自分の目の前に現れた事に動揺を隠しきれません。
棗は、ニヤニヤと笑いながら蜜柑に近づいて来ます。


「なっ…何で、狼がいきなりウチの前に現れるんや!?
 童話だと、狼は子ヤギを食べる為にあれこれと画策しようとするんやで!?」

「…残念だが、これは原作沿いの童話じゃねぇ。
 俺が食べたいのは口煩い子ヤギなんかじゃなく―――――


棗は蜜柑の細い腕をグイッ掴み


「お前だ」


お姫様抱っこで抱き上げました。


「えっ…」

「今夜から美味しく食べさせてもらうからな…」


棗はニヤリと怪しく笑いながら蜜柑を抱きかかえ、森の中にある自分の家へと向かいました。


「いややぁ〜!!家に帰してよ〜!!ウチは蛍たちを養わなきゃ……!!」

「そんなの知るか。お前は、今日から俺の物なんだからな(ニヤリ)」


棗の家に監禁招待させられるのが嫌な蜜柑は、必死に手足をバタつかせましたが
彼は、頑なとして蜜柑を手放さそうとはせず、そのまま森の奥へと消えていきました…。




終わり?

後書き

タイトルを見れば分かると思いますが、『狼と7匹の子ヤギ』をお話しをベースにしたものです。
ターゲットは7匹の子ヤギではなく、お母さんヤギの蜜柑でした!!(*´∀`*)
童話や昔話って一歩間違えば18禁のエロ展開なりかねませんから
何とか、ギリギリの内容で仕上げました。
最高のご馳走を手に入れた棗狼は蜜柑ヤギを美味しく食べるストーリーが
あるページに存在します。何処にあるのかは、自力で探してください♪

2005.9.6